切り絵に使用する道具いろいろ
前回の続き。続いたよやったね!
今回は切り絵に使う色々な用具について説明していこうと思う。
ここで説明している事項はあくまで筆者個人が使用しているものである。実際は人によりそれぞれなのでここで紹介していること/ものが絶対正しいというわけではないので注意しておいていただきたい。
デザインナイフ
やはりこれがないと始まらない。前回の記事では普通のカッターでも構わないと書いたが、やはりそれなりの物を使ったほうがやりやすさが段違いなので是非切り絵を始める際には真っ先に購入していただきたいものである。様々な種類のものがあるが、物によってはかなり安価なので気兼ねなく買えるのではないだろうか。
実際に自分が使用しているものが以下のものである。
この中でも特にオススメなのが一番左のものである。そう、信頼と安心のOLFA製である。ナイフについてはまた別に述べる機会も(たぶん)あるのでここではそこまで詳細に説明しないが、このナイフの優れた点を列挙すると以下のようになる。
- 安い
なんと言っても一番魅力的なのはその安さだろう。
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この通りなんとAmazonだと記事執筆現在、たったの280円で変えてしまう(合わせ買い対象商品ではあるが)。Amazonでなくとも、例えば東急ハンズのような店で500円玉でお釣りが来る値段で購入が可能である。替刃が25枚付属し、更にその替刃の収納ケースが付属してこの値段というのは破格であると言えるだろう。
この収納ケース、作りがしっかりしており、未使用の刃と使用済みの刃を分別できるので地味に便利。また、仮に付属の替刃を使いきってしまっても安価で補充が可能である。
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- 入手が容易である
安価に手に入るのももちろんだが、実際の店舗でも本体、替刃共によく見かける商品である。例えば替刃が無くなった時にフラッと東急ハンズ等に行けば物が売っているというのは割と大きい。
- 十分な切れ味
安いってことはそんなに良い商品ではないのでは?と思われるかもしれないが、そんなことは全くない。切り絵をするには十分すぎる切れ味をこのナイフは持っている。流石はOLFAと言った所だろうか。普段普通のカッターしか使用していない人がこのナイフを使ったらその切れ味に驚くだろう。特に刃を交換したばかりだと尚更である。
- 使いやすい
その使いやすさもこのナイフの優れた点である。太さは一般的に使用される鉛筆と同程度でありよく手に馴染む。また、重心は多少刃の方に寄ってはいるもののほぼ均一である。つまり、普段我々が鉛筆やボールペンなどで文字を書くのと似た感覚でこのナイフを使用することができるのだ。日常とおなじ感覚で使える、というのは大事だろう。
と、ここまで色々と述べてきたが、要するにこのOLFAのアートナイフを買っておけばまず間違いはない、そう断言できる。切り絵をするしないに関わらず家に一本あれば何かと便利なので是非オススメしたい。ちなみにこの製品の上位版として「アートナイフプロ」という物が存在するが基本的には通常のもので十分である。もしアートナイフを使い続けて不満が出てきたら視野に入れてみるのも良いだろう。
一応
百均でもデザインナイフは買える(上:百均 下:OLFA)。
ただ、替刃のことを考慮するとそこまで値段が変わるという訳でもないのでケチケチせずにOLFA製を買うのが吉だろう。ちなみに百均の刃はOLFAの物と互換性があるので、本体は百均で替刃はOLFAをというケチり方もできる。する意味ないけど
カッターマット
刃物を使う以上ほぼ必須となってくるのがこのカッターマットである。机に傷が付くことを防ぐだけでなく、ナイフの刃を守る、刃の通りを良くする等様々な利点があるので切り絵をするならこちらもほぼ必須といえる。一応新聞紙等でも代用できるが悲惨なことになるのでオススメはしない。
実際に自分が使っているのがこちらになる。
オルファ(OLFA) カッターマットA4 (225x320x2mm) 134B
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これもやはりOLFAの製品である。ちなみに筆者はOLFAの回し者ではない。カッターマットを選ぶ基準と言ってもそれほど無いのだが、自分がこれを選んだ理由はその大きさと色にある。
- 大きさ
カッターマットの大きさは当然ながら切る紙よりも大きい方が良い。なぜなら、カッターマットから紙がはみ出すと切る場所により紙を移動させたり、またカッターマットの境目で紙が折れてしまう危険性があるためである。
ここで、(あくまで筆者の主観だが)切り絵は大体A4までのサイズを相手にすることがほとんどなので、そのA4サイズに対応したカッターマットを選べば十分であると筆者は考えてる。B4やA3サイズの切り絵をする予定が明確にあるのであれば別だが、そうでないならA4サイズのカッターマットで十分であろう。保管も簡単だしね。
- 色
カッターマットといえば緑色というイメージを持っている方も多いのではないだろうか、というか昔の筆者がそうだった。だが多様化の進む現在、カッターマットの色も多岐に渡っている。その中で自分がこの白色のカッターマットを勧める理由はその見易さにある。切り絵というのは一般的に黒色、たまに白色の紙を相手にすることが多い。ここで、黒色の紙を切る際に背景、つまりカッターマットが白色だと単純にコントラストがハッキリして見易いのだ。白色のカッターマットと所謂緑色のカッターマットに黒い紙を載せた時を比べた様子が下になる。
その見易さは歴然としているだろう。また、ここで紹介したカッターマットは裏面が黒色となっているので、白色の紙を切る時も安心である。
とまあカッターマットについても色々述べたが、ぶっちゃけ百均に行けば売っているのでとりあえずそれを使うというのも一手である。ただ筆者は使ったことがないので何とも言えないが、当然品質がある程度下がることが予想される。そこまで大幅に値段が変わるという訳でもないので、切り絵に本腰を入れるというなら是非ここで紹介したものを使ってみて欲しい。
マスキングテープ
前回も使った写真になるが、元絵と画用紙を固定するために自分はマスキングテープを用いている。前も述べた通り、マスキングテープ以外にも貼って剥がせるタイプの糊やホッチキスという選択肢があるが、その中でも自分はマスキングテープを推したい。これらのメリット・デメリットは以下の通り。
マスキングテープ
○粘着力がそこまで強くはないので、貼る際に紙がたわんだりズレたりしてもやり直しが容易
○仕上がりに跡が残らない
×紙が大きくなるにつれ、中心部分がズレる時がある
貼って剥がせる糊
○圧倒的固定力。基本的にズレなどというものは存在しない
△貼って剥がせるのでやはりやり直しが可能(ちょっと面倒)
×貼って剥がせるとは言え、剥がした後にはやはりベタつきが残るため仕上がりに不満が残る(元絵を反転させるという手法で回避可能、詳しくはまたいつか)
×糊によっては元絵、もしくは画用紙に変形を生じさせてしまうため切るのに時間をかけ過ぎると元絵と画用紙のズレから紙全体がたわんだりすることも
ホッチキス
△こちらもやり直しが可能(針を抜く分面倒)
×ホッチキスなんて危ないよ!怪我しちゃう!
これらをご覧になった上でどれを使うかはご自由に決めていただきたい。ただ、多少作為的な部分はあるがマスキングテープが優れているのが分かるだろう。
実際にどんなマスキングテープを使うかだが、まあお好きなモノを使っていただければと思う。手元に物があればそれで十分。一応自分が使っているのは3Mスコッチの幅が12 mmの物になる(下は18 mmのもの)。
3M スコッチ 塗装用マスキングテープ 18mm×18m M40J-18
- 出版社/メーカー: 3M(スリーエム)
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自分がこれを使っているのは単純に、黄色で見易いからである。見易さは大事。
スプレーのり
これは主に仕上げに使う。切り絵の保存方法というのも色々存在するが、最も一般的なのは白色の画用紙に糊を用いて貼り付けることだろう。
こうすることで、比較的脆い切り絵を安全に保管することができる。この接着に糊を用いるわけだが、通常のスティック糊だと細かい部分に上手く糊をつけることが出来ず、その部分が破れてしまうということが容易に起こる。そこで活躍するのがスプレー糊である。スプレーという性質により、切り絵の細かい部分まで均一に、簡単に糊を塗布することができるのだ。実際使ってみるとその便利さに驚くだろう。ただ、貼って剥がせるタイプを使用しないと、貼り付けに失敗した時に地獄を見るので注意。また、貼って剥がせると言えど、一定時間が経ってしまえば下手なことをしないかぎり剥がれないので安心して欲しい。
自分が使っているのが以下のスプレーのりである。
- 出版社/メーカー: 3M(スリーエム)
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そう、このスプレーのり、何が問題かというと結構いい値段がするのである。ここまで紹介したどの製品よりも高額である。上のものは220 mlであるが、一回り大きい430 mlの物だと更に値が張るし、逆に一回り小さい100 mlのものもそこそこいい値段がする。
なので、正直このスプレーのり高くない……?と思われる方はダイソーに売っているスプレーのりを使用するのも十分選択肢に上がる。60 mlで108円と、上に紹介したものに比べればかなり安い。ただ、そこは百均クオリティーのため、糊が均一に塗布できない、糊が満足に出てこない不良品が時々存在する等の問題点はあるが、それでも十分に使用可能なレベルである。実際自分も昔はこれを使っていた。
ちなみに、マスキングテープの所で説明した、「元絵と画用紙の固定」にこのスプレーのりを使うこともできる。
ステンレス定規
切り絵そのものには余り使わないが、例えば仕上げとして全体を四角に切り出す時等にあると便利。その他にもいざというときにカッターで直線が切れると嬉しい。ただ、必需品ではない。あったら嬉しい程度。長さは、A4サイズの長辺がカバーできる30 cm以上を推奨。
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ここで、皆さんが持っているであろうプラスチック製の定規を使用すると、定規自体が切れてしまう可能性があるので出来るだけ避けるべき。ただ、これも決して安いものではないので、キャン・ドゥなどにある物で代用は十分可能。ただ、こちらにもある通り、
百均の定規というのも意外と当てにならなかったりする(元から曲がっていたり、すぐ曲がって定規としての体をなさなくなったりする)ので自己判断で。ただ、自分も昔は百均の物を使用していた。百均最高だぜ
まとめ
なんか思ったより長くなってきたし主要な道具は説明したので今回はここまで。
今回紹介したのはデザインナイフ、カッターマット、マスキングテープ、スプレーのり、ステンレス定規である。どれも百均で揃うものなので、最初はそちらでとりあえず道具を揃えてみるというのも良いだろう。ただ、デザインナイフに関しては妥協せずにOLFA製の物を買って欲しい。近年、百均の品はそのクオリティを上げているが、やはり安いからにはそれなりの理由が存在する。デザインナイフというのは切り絵の根幹を担うものであり、デザインナイフのクオリティが切り絵の完成度に直結するので、ナイフに関してはちゃんとした物を使って欲しいというのが自分の願いである。そんなに高いわけでもないしね。
じゃあね。