フュージョンファイト!のオーブスキルとかショウゴウとかアイテムとかのちゃんとした話
- はじめに
- 何かが……何かがおかしい
- 何がおかしかったの?
- 犯人は誰ですか
- 目を背けるわけにもいかないんじゃない?
- 必殺技のダメージってすごい
- 唐突なジュクレンドの話
- ショウゴウの効果を知りたい
- ○○超アップというスキルについて
- ○○アップ
- アイテムの効果
- 好相性アイテムについて
- そもそもどのスキルが分かってないの?
- 覚醒パワー
- 好相性アイテム
- まとめ
- まとめのまとめ
はじめに
前回のフュージョンファイトのダメージ分かる君
で「スキルとかショウゴウとかアイテムとかの話はそのうちちゃんと書く予定」とか言っていたやつがいるらしいので書いていく。オーブスキルはともかく、ショウゴウやアイテムというのは厳密な検証がされていた訳でも無いので、今まで具体的にどのような効果なのかが気になっていた方も多いのではないだろうか?え?そんなことない?いやいやまっさか~
今回の話はあくまで、自分が検証した中での話であり、他の方の検証を参考にしている部分も多いのでご了承を。
加えて今回は話を自分の検証の時系列順に展開するので、途中わかりにくくなることもあると思うがご容赦いただけると。
何かが……何かがおかしい
ダメージ分かる君を作る前から、ダメージ計算式自体は公開していて(ココ)、実際自分の手元にダメージ分かる君のようなものはあったのだが、一つの悩みを抱えていた。スキルとかショウゴウとかが乗るとズレるのだ。その原因はいくつか考えられて、
等を考えていた。
1のまずダメージ計算式がおかしい可能性だがそれはないという自信は正直あった。一定数のデータは取っていたし、熟練度0でスキルやアイテム、ショウゴウ無しの状況なら間違いないだろうと。間違いがあるとしても、ベースの部分はあっていてスキル等の演算が想定外のことをしているのでは、という結論には落ち着いていた。
2の熟練度が違う可能性も、たぶん無いだろうとは思っていた*2。熟練度の演算は(1+熟練度/100)となっているが、ぶっちゃけこれはなんとなくで出した式である。当時熟練度all100の方のデータを眺めて、大体2倍になってるなあ、熟練度100で2倍か、じゃあ(1+熟練度/100)じゃね、程度の感覚で出した式である。まあ実際、スキル補正などがなければ熟練度100で2倍、120で2.2倍、140で2.4倍になっているので恐らくこの部分も間違いないだろう。問題なのはスキルが絡んだときなのだ。
3のスキルの効果を勘違いしているだが、正直ココに関しては全く疑っていなかった。既にある程度の議論が成されていて、特に異論を唱える人もいなかったし、実際の検証でもそれほど引っかかる点があったわけでもないので自分も一般的な説を正しいと思いこんでしまっていた。それが大きな誤りだったのだが……
4は……まあいいや。そこまで本題でもないので。
何がおかしかったの?
実際に自分が計算をしていて引っかかった部分を見ていこう。まずはこちら。
当時熟練度がカンストしていたネクサス。「コウゲキ超アップ」「ヒッサツ超アップ」に能力補正のアイテムはなし、ヒッサツ補正系の称号持ちである。このネクサスの当時の理論値と実測値がこちら。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測 | 283.8 | 263.0 | 328.1 |
理論 | 272 | 256 | 320 |
とまあ微妙にズレてしまっている。ちなみに計算は、○○超アップを能力が1.15倍、ショウゴウは無視して計算した*3。まあズレていると言っても5%程度の誤差で十分っちゃあ十分なのだが、やはり個人的には看過できないレベルの誤差である。
とここで、実測値と理論値を見比べていてある事に気付いたのだ。「コウゲキを1.04倍するといい感じになるんじゃね」というものである。実際の数値がこちら。コウゲキを1.04倍した理論値を理論値αと呼称する。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測 | 283.8 | 263.0 | 328.1 |
理論 | 272 | 256 | 320 |
理論α | 282.5 | 262.5 | 326 |
となり、理論値αと実測値の誤差が1%以内になるので自分は「何かよく分からないけどコウゲキに4%程度の補正が乗っているらしい」という結論に至った。
犯人は誰ですか
ではその4%はどこから来たのだろうか。ステータス画面を見ていただくと分かる通り、コウゲキに影響を及ぼしているのは「コウゲキ超アップ」のみである。じゃあなんやねん……と思っていた筆者に電撃走る。「……こいつじゃね?」
熟練度が一定以上で出現するミッションをクリアできると貰える星であるが、コレが能力アップの効果持ってるんじゃね……?というわけだ。どーよこの完璧な推理。
と思って、星が増える前と後で、ジュクレンドが変わらない状況を作って2回ほど測定したものの、星が増えた後で余ダメージが増えるという結果は一切なかった。ちーん。
一応自分が現実逃避のために打ち立てた案が、「星がつく毎にタイリョク、コウゲキ、ハヤサ、ヒッサツワザの何処かにランダムで補正がかかる」というものだがまあそんな訳があるわけもないのでゴミ箱に捨てておく。
目を背けるわけにもいかないんじゃない?
とまあどこにも公開はしていないが、上記のような葛藤が実はあったのだが、「まあよくわからんしいいか」という訳で長年放置していたのだがそうも言っていられない自体が発生した。次はこれ。
ショウゴウ計測(2回目)の為に使用したティガスカイ。こちらもショウゴウが付く後と前でジュクレンドは変わらない*4。ショウゴウ取得ミッションでアイスラッガー(ハヤサ補正)がついてしまったがアイテムの効果を確かめられて一石二鳥ということにする。
まずショウゴウ取得前の理論値と実測値。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測 | 165.6 | 197.0 | 149.0 |
理論 | 161.5 | 195.5 | 147.0 |
というなんともツッコみ難い結果になった。ちなみに○○超アップを能力が1.15倍、アイテム系を能力が1.05倍として計算した。ツッコミどころはいくつかあるのだが、特にパンチが2.5%くらい微妙にズレてしまっている。
自分のダメージ計算式なら、データ数を一定数取ってスキルとか変なやつがない状況なら誤差は高々1%程度なのでやっぱりおかしい。うーん。
次にショウゴウ取得後の理論値と実測値。ついでのショウゴウ取得前のも一緒にしとく。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測(前) | 165.6 | 197.0 | 149.0 |
理論(前) | 161.5 | 195.5 | 147.0 |
実測(後) | 166.0 | 203.1 | 149.3 |
理論(後) | 161.5 | 201 | 147.0 |
やっぱりズレている。とまあここまでラッシュのダメージの話をしてきたが、実はこれは重要ではない。検証を行うなら、ラッシュのダメージよりも必殺技のダメージのほうが遥かに重要である。
必殺技のダメージってすごい
必殺技のダメージがどういう点で優れているかというと、
値が大きい
離散的な値しか出ない
それゆえ元の値が推定しやすい
のだ。と言ってもよく分からないと思うので、実際の例を見せてみよう。
まず必殺技だが、値が色んな値が出るのは皆さんご存知のことと思う。その値をどうやって決めているかは以下の通りになる。コレより後の情報、実は本邦初公開である。耳の穴かっぽじって聞くんやぞ
(実際のダメージ)=(ダメージ計算結果)×N (N=0.90, 0.91, 0.92,……, 1.09, 1.10)
要約すると必殺技は実際の計算値の0.9倍から1.1倍までブレるということだ。
ここで、先程のショウゴウ取得前のティガスカイで黄色ワザであるランバルト光弾のダメージを3回計測した結果がこちらになる。
計測値 |
---|
1695 |
1749 |
1945 |
これを眺めると平均値が1,800程度であることが分かる。1695と1749の差が56なので1,800×0.03くらいの差、1749と1945の差が196なので1,800×0.11くらいの差があることが分かるので以下の通りに乱数を仮定してみる。
計測値 | 乱数 |
---|---|
1695 | N-0.14 |
1749 | N-0.11 |
1945 | N |
で、Nが1.10以下かつ(N-0.14)が0.90以上であるようにNの値を色々変えてみると、今回はN=1.09であることが分かる。何故かと言うと、以下のように計測値を乱数で割った物がほぼ同じ値になるからである。
計測値 | 乱数 | 計測値/乱数 |
---|---|---|
1695 | 0.95 | 1784.2 |
1749 | 0.98 | 1784.7 |
1945 | 1.09 | 1784.4 |
このようにして、必殺技の元の数値が1,785程度であることが推測できる。ちなみにこの数値がどこから来ているかと言うと、
(ランバルト光弾)=(ヒッサツ値)×(ヒッサツ固有係数)×(ジュクレンド補正)×250
=5×1.2×1.19×250=1,785
というわけであり、この場合だとジュクレンド補正がバッチリであることが分かる。
唐突なジュクレンドの話
とここでジュクレンドの衝撃な事実が判明した。ショウゴウ取得後のランバルト光弾のダメージを計測していたのだが、途中でジュクレンドを入れてしまったのだ(もちろん数値が変わらない程度ではあるが)。表示上のコウセンジュクレンド19は変わらないのだが、19と4目盛だったのが19と8目盛りになってしまった。するとジュクレンドを入れる前は1807、入れた後は1810という有り得ない数値が観測されたのである。
先程も述べた通り、必殺技のダメージ計算の乱数項は
×N (N=0.90, 0.91, 0.92,……, 1.09, 1.10)
となっており、その都合上一つ一つのダメージの差はある程度大きくなるのである。今回の場合、乱数計算前の値が大体1,800になるので、ダメージ毎に1,800×0.01=18程度の差は発生するはずなのである。それなのに3という差はおかしいのだ。あってはならない。
では何故こんなことが起きてしまったかであるが、原因は確定的に明らかである。そう、ジュクレンドだ。コウセンにジュクレンドが0.4程度入ってしまったからこんなことが起きてしまったのだ。ここから導き出される結論はただ一つ。
「ジュクレンドは0.1単位で効いてくる」
ということだ。数値上では「19」とキリよく表示されている数値でも、内部的にはちゃんと「19.4」と表示されている、ということだ。ただ実際の計算の話をすると、「×1.19」も「×1.194」も本当に誤差のレベルであり、体感するのはほぼ不可能なので通常プレイでは全く気にしなくていい、というか困るのは恐らく世界で自分くらいだろう。ただ、これがわかったことでかなり検証が進んだのは事実である。
ジュクレンドの細かい話
ただ、数値19と4目盛りだから19.4……というわけではないようだ。色々なデータを確かめてみたのだが、どうやら19と4目盛りのときは19.3と処理されている(気がする)。基本的に小数点の値は(目盛りの数-1)で計算されている事が多い(気がする)。まあこのあたりは本当に瑣末な問題なので置いておく。
ショウゴウの効果を知りたい
とここで、ジュクレンドの細かい仕様が明らかになった所で、ショウゴウ計測(1回目)の計測結果を精査することができるようになってくる。
こちらは「絆の力、おかりします!(ヒッサツ補正)」のショウゴウ効果を調べようとした時のことである。ショウゴウ取得前と後での必殺技ダメージ(乱数計算前)は以下の通り。
前 | 後 |
---|---|
1929 | 1957 |
しっかりとショウゴウの恩恵を受けて必殺技のダメージが上がっていることが伺える*5。ただ、一見しただけだと1957/1929≒1.015と、2%も増えていないことが分かるだろう。ではここで、上の計測結果がどのような計算から弾き出されているのかを計算していこう。ダメージ計算を(ヒッサツ値)×(ヒッサツ係数)×(ジュクレンド補正)として、
(ショウゴウ取得前)=5×1.5×1.029*6×250≒1929
となり、取得前に関しては特に問題ないことが分かる。
では取得後に関してはどうなるだろう?まずショウゴウ補正がない場合のことを計算してみる*7。
(ショウゴウ取得後)=5×1.5×1.037×250≒1944
となる。もしショウゴウの効果が掛け算であるとするならその倍率は、1957/1944≒1.0066となり、あまり直感的でない数値が出てくる。とここで、1.0066という数値を見ていると何かがピンと来ないだろうか。今回の必殺技ダメージに関わってくる数値は、ヒッサツ値の5、ヒッサツ係数の1.5である。
……1.5?そう、1.51/1.5≒1.0066なのである。こんな偶然があるだろうか?いやこれは必然である。ショウゴウの効果により、ウルトラマンのヒッサツ係数が1.5から1.51になったと考えるのが妥当であろう。すなわち、ショウゴウの効果は係数+0.01である、という解釈だ。
今までステータスに補正がかかる物はステータスに掛け算されると言われてきたが、今回の結果を見る限りは係数に足し算されていると考えるのがよっぽど妥当であろう。ショウゴウの効果がこうである以上、スキルやアイテム等の「○○がアップ」効果は係数に足し算されているという前提で考えていいだろう。
○○超アップというスキルについて
ここで、最初の方で触れたネクサスのラッシュダメージを振り返ってみよう。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測 | 283.8 | 263.0 | 328.1 |
理論 | 272 | 256 | 320 |
というものだった。ここで、コウゲキ超アップでコウゲキ係数にXという値が足し算されているとすると、このネクサスのパンチ1発のダメージは以下の通りに計算される。
(パンチ)=6×(1.0+X)×18×2.2
この値が283.8なことから、1.0+X≒1.194となる。すると、X=0.2となり、コウゲキ超アップはコウゲキ係数が+0.2されるとするのが良さそうだ。
また、このネクサスの必殺技ダメージも2回だけ取ってあり、「4887」と「5843」だった。この2つの値から、必殺技のベースのダメージが「5312」と分かる*8。この「5312」の由来を考えてみよう。このネクサスの必殺技関連の数値は、「ヒッサツ値6」「ヒッサツ係数1.4」「ヒッサツ超+X」「ショウゴウ+0.01」「ジュクレンド120」なので、必殺技のダメージは
(オーバーレイ)=6×(1.4+0.01+X)×2.2×250
となり、この値が5312になることから逆算すると、
1.4+0.01+X≒1.61
となる。つまりX≒0.20となる。ので、ヒッサツ超アップでヒッサツの係数が+0.2されていると言えるだろう。
結局のところ
ネクサスのコウゲキ超アップ、ヒッサツ超アップの結果から考えて、「○超アップは係数に+0.2される」と決まるだろう。
今までまことしやかにささやかれていた「ステータス+15%」は間違いだったという結論になる。
なんで勘違いが起きたか
ではなぜステータス+15%という説が生まれてしまったのか、考えてみよう。といってもそれは簡単な話で、スキルの検証が始まっていた頃には固有係数の明確な概念が無かったのである。確か自分が固有係数に関して明確な結論を出したのが3月末頃でその頃には超アップ系の基本的な検証は既に終わっていたと記憶している。
超アップというスキルが固有係数というマスクデータに補正をかけるスキルであり、そのマスクデータが解明されていない状況で正確なスキル情報を暴くという方が無理な相談だろう。
また、補正数値が1.2ではなく1.15と言われていた話であるが、これも至極当然の話である。例えば係数が1.0のところに超アップで補正をかけ1.2になったら確かに倍率は1.2倍になるが、1.2が1.4になったら1.167倍に落ち、1.4が1.6になったら倍率は1.143にまで落ちる。
ウルトラ戦士の固有係数が大体は1.2程度であり、倍率で見ればキリの良い数値である1.15というのが候補に上がるのも当然といえるだろう。ちなみに最初の方で「ネクサスに謎のコウゲキ補正1.04倍がかかってる!」と言ったがなんのことはない。1.15に1.04をかけると1.196≒1.2という値が出てくる、そういうことだ。
足し算でなく掛け算だと思いこんでしまったのは……どうだろうね。一応自分は検証途中で、「ステ値に足し算で補正がかかっているのでは?」とか「ジュクレンドに足し算で補正がかかっているのでは?」とかは思ってもいたが、当然どうにも計算が合わない。固有係数という概念が無い状況では正解を導き出すのはやはり不可能といえるだろう。
○○アップ
○○超アップの下位互換であるところの○○アップ系のスキル。今まではステータスが1.1倍と言われてきたが、実際にはこれらは係数が+0.1という効果になっている。これは幸いなことに、元の係数が1.0のステータスに○○アップを付けて検証されたので数字に関しては正確なものが弾き出されている。
アイテムの効果
さて、スキルの効果とショウゴウの効果が分かった。ここまでくればアイテムの効果も出せるだろう。これもやはり先に出てきたティガスカイの結果に立ち戻ってみよう。
ハヤサ値7、キックジュクレンド21.1、コウゲキ値6、パンチジュクレンド19、ハヤサ補正アイテム1個、ハヤサ超アップ、コウゲキ超アップ持ちの状態でキックの平均ダメージが197.0。
ハヤサ値7、キックジュクレンド21.4、コウゲキ値6、パンチジュクレンド19.2、ハヤサ補正アイテム2個、ハヤサ超アップ、コウゲキ超アップ、ハヤサ補正ショウゴウ持ちの状態でキックの平均ダメージが203.1。
アイテム1個の補正値を+Yと置いてそれぞれのダメージ計算式を考えてみよう。
(取得前キック)=6×(1.1+0.2)×1.19×10+7×(1.3+0.2+Y)×1.211×8
(取得後キック)=6×(1.1+0.2)×1.192×10+7×(1.3+0.2+2X+0.01)×1.214×8
となる。上の式を解くとX≒0.04*9くらい、下の式からだとX≒0.055*10くらいになるので、アイテムの補正値は+0.04もしくは+0.05と予測できる。
次にもっと正確な値を見られる必殺技だ。こんなこともあろうかとこのティガスカイでは緑技であるティガ・スカイキックのダメージも測定してある。
細かい数値は省くが、ショウゴウ取得前のスカイキックのベースダメージは「2686」、ショウゴウ取得後 のベースダメージは「2770」であった。それぞれの計算値を考えてみると、
(取得前スカイキック)=(7×(1.3+0.2+Y)×1.211×0.6+5×1.2×1.19×0.4)×250
(取得後スカイキック)=(7×(1.3+0.2+2Y+0.01)×1.214×0.6+5×1.2×1.193×0.4)×250
これも同様に解いて、上の式からY≒0.05*11、下の式からやはりY≒0.05*12という結果が出てくる。この結果より、アイテムの補正値は+0.05となるだろう。このように、数値を検証するなら必殺技の方が確かだということが分かっていただけただろうか。と言うかキックダメージの計算式要らなかったんじゃ……
好相性アイテムについて
第4弾から実装されたアイテムだが公式ページによると、「相性がいいアイテムを装備するとヒッサツワザがすこしパワーアップ」という記述がある。どうせならこの効果も求めてしまおう……と思ったのだが。
自分の手元にあるカードの中で好相性アイテムを持っているのがゼロしかおらず、しかも彼は「覚醒パワー」というよく分からないスキルを持っている。どうやらこのスキルの解明が必要なようだ。
そもそもどのスキルが分かってないの?
現状、ほぼ全てのスキルの効果が解明されており、その中でも「チャンスに強い」や「バーサーカー」と言った「ダメージに掛け算をする」スキルは今までの認識で問題ないだろう。今回問題になっているのは○○超アップのようにステータスに補正がかかるスキルなのだ。現状残りのスキルでパラメータアップ系のスキルは「覚醒パワー」だけなのでこれを解明してしまえば今度こそ完全なスキル表が完成するだろう。
覚醒パワー
さて幸いなことに、覚醒パワー*13を持っているゼロのデータは取得済みである。
こちらの「覚醒パワー」「バーサーカー」持ちでハヤサ補正アイテム1個、好相性アイテム1個、ハヤサ補正ショウゴウ持ちのゼロのラッシュダメージは以下の通り。
パンチ | キック | ヒッサツ | |
---|---|---|---|
実測 | 292.9 | 287.5 | 336.7 |
ここで、好相性アイテムがヒッサツワザに及ぼす影響が今のところわからないので、とりあえずはパンチとキックについて見てみよう。アイテムやショウゴウの効果はここまで説明した通り、バーサーカーの倍率を1.3倍とするとダメージ計算式は、覚醒パワーの補正を+Zとして、
(パンチ)=5×(1.2+Z)×18×2.005×1.3
(キック)=(5×(1.2+Z)×10×2.005+5×(1.1+0.05+0.01+Z)×8×2.003)×1.3
となり上の式からZ≒0.049*14が出せ、下の式から(少し面倒だが)Z≒0.046が出る。どうやら覚醒パワーの補正値は+0.05っぽい。
ここでは詳細は省くが、更に以前のゼロ*15のデータも加味すると、覚醒パワーの補正値は全係数に+0.05で間違いないという結論が得られる。
好相性アイテム
さて無事に覚醒パワーの効果も出た所で好相性アイテム……と行きたいところだがそうは問屋が卸さない。
先程の覚醒バーサーカーゼロのコウセンダメージについて好相性アイテムを無視して理論値を計算してみよう。
(コウセン)=(5×(1.2+0.05)×10×2.005+6×(1.3+0.05)×8×2.094)×1.3≒339
という結果が出るのだが、理論値が実測値を上回ってしまっており、好相性アイテム補正の入り込む余地が無いように見えるが……どういうことなのだろうか*16。
やはりここは必殺技のダメージで見るしか無いということで、コウセンのジュクレンドが133.0の際の黄色必殺技ダメージを計測し、「6058」「6441」という結果が得られた。これを元にいつも通りに必殺技のベースダメージを出すと「6377」という数値が得られる。ここで好相性アイテムが無い状況での黄色必殺技のダメージを計算してみよう。
(黄色ヒッサツ)=6×(1.3+0.05)×2.33×1.3×250≒6134
であり、好相性アイテムが入るだけで6377/613≒1.04倍の補正がかかったことになる。つまりヒッサツ係数が1.35から1.35×1.04≒1.4になったと考えることもできるがこれはおかしい。
もしヒッサツ係数が1.4になっているならコウセンのダメージがもっと伸びるはずだ。先程、ゼロのコウセンの実測値が336.7であり、好相性アイテムを加味しない理論値が339と説明した。ここで、好相性アイテム効果で係数が1.4になったと仮定してコウセンの理論値を計算してみると346という値が出てきてしまうが、これは流石に実測値とズレすぎてるため却下。
ここから得られる結論は、「好相性アイテムはヒッサツワザの係数を上げるのではなく、必殺技のダメージを1.04倍する」というものになる。
ここで公式ページの説明を思い出してみよう。
「相性がいいアイテムを装備するとヒッサツワザがすこしパワーアップ」
一方、HP1で必殺技のダメージが1.5倍になる一発逆転の説明はこちら。
「残りHP1になるとヒッサツワザがスゴくアップ」
更に、ヒッサツワザ係数に補正がかかるヒッサツ超アップの説明はこちら。
「ヒッサツが大きくアップ」
つまり好相性アイテムは、超アップ系スキルではなく一発逆転に近い効果を持つ事がわかる。つまり、必殺技の威力に掛け算をする効果なのだ。てっきりヒッサツワザのステータスに影響してくるものだと思いこんでいたのでこれは正直意外だった。ただ、好相性アイテムは特殊効果であるのでそう言われてみればそんな気もしてくる。
ただ、ここで問題になってくるのがヒッサツ補正系のアイテムの説明が「ヒッサツワザがほんのすこしアップ」であることなのだが、これはハヤサ補正のアイテムと同系列と考えるのが妥当であるのでやはり係数に補正が入るのだろう。
まとめ
なんだか長くなってしまったがここで結論をまとめておこう。
○○超アップ系スキルは係数に+0.2
○○アップ系スキルは係数に+0.1
覚醒パゥワーは全係数に+0.05
ショウゴウの補正は係数に+0.01
アイテムの補正は係数に+0.05
好相性アイテムは必殺技の威力が1.04倍
ということになる。ここから得られる知見がいくつかある。
まずフュージョンアップが強いということ。フュージョンアップをすると一箇所の係数が0.2伸び、その他が0.1伸びる。コレはなんと、○○超アップが1個、○○アップが3個付くのと全く同じ効果なのだ。例えばコウゲキにボーナスが大きく乗るフュージョン*17の場合、フュージョンアップをすることで「コウゲキ超アップ」「ハヤサアップ」「ヒッサツアップ」「タイリョクアップ」のスキルがついたのと同等の効果が得られるのである。スキル枠が2個しかない現環境でコレがどれだけ凄まじいことかと言うのは言うまでもないだろう。逆に言うとフュージョンが無い勢はそれだけでかなりのディスアドバンテージを背負っていることになる。「ウルトラマンフュージョンファイト!」の名は伊達ではないということか。
次に、ショウゴウの効果がほぼ誤差レベルであるということ。係数に+0.01されるのだが、正直コレは誤差と言うしか無い。例えばジュクレンドが1上がったからと言ってそれを劇的に実感することがあるだろうか*18、ある訳がない。ショウゴウの効果はバトルにほぼ影響してこないので、能力より名前で選んであげたい。例えばガイアに「ギリギリまで頑張って」を付けたりゼロに「2万年早いぜ!」を付けたりのように。ショウゴウはぶっちゃけ見栄え重視で構わないだろう。まあ残りショウゴウも少ないだろうし今更だね、ごめんちゃい
最後に、アイテムはそこそこ強い。例えばハヤサ補正アイテムが2個付くだけで「ハヤサアップ」と全く同じ効果を発揮する。現状ハヤサ補正アイテムとヒッサツ補正アイテムがそれぞれ3個ずつ存在するが、仮に全部を付けた場合、ハヤサ係数が+0.15、ヒッサツ係数も+0.15される。こうなってくると、下手なフュージョンアップ程度の恩恵は受けられるのだ。つよい。
まとめのまとめ
Twitterの方でなんとなくアンケートを取ってみたら「いつもより詳しく書けよ!」という意見が多数寄せられたので詳しく書いてみた。わかりにくかったらごめん。
まあフュージョンファイトのダメージ計算についてはコレでほぼ解明されたのではないだろう*19。この記事もある意味自分の集大成になるだろう。少しでも楽しんでいただけたなら幸いだ。
じゃあね。
*1:正直、一時期はショウゴウって効果ないんじゃね?とすら思っていた
*2:後述するが厳密にはそんなことはなかったのだが
*3:当時、ショウゴウは意味ない教信者だったもので……
*4:と思うじゃん?そんなことなかったんよね
*5:これを見て明らかな通り、ショウゴウの効果がないなんてことは当然ない
*6:ジュクレンドに関しては0.001は本当にズレる。ここでは都合のいいように解釈しておく
*7:ジュクレンド変化による補正を考える
*8:必殺技のダメージが2つあれば元の値が推定できるということ
*9:1.3+0.2+Y=1.54という式が出る
*10:1.3+0.2+2Y+0.01=1.62という式が出る
*11:1.3+0.2+Y=1.55という式が出る
*12:1.3+0.2+2Y+0.01=1.61という式が出る
*13:目がチカチカするから虹色にするのはやめるね
*14:1.2+Z=1.249が出る
*16:測定誤差という説も多分にはあるのだが
*17:サンダーブレスターとか
*18:カウントが1増えるのはまた別の話
*19:ウルトラッシュ……?知らない子ですね……